21:09分 タンバリン星国 軍事施設内 「・・施設内エリアB付近に侵入者を確認。 敵は施設を南に向かって進行中・・ 隊員は通常の対応でこれを迎撃、 敵の機密エリア侵入を阻止せよ。 繰り返す、これは訓練では無い、繰り返す・・」 ヘンゲリーノ「フハハ!口程にもないワイ! さて、見せてもらおうか、プロフェッサー・ダークの 作った、軍の最高機密兵器とやらをなッ!」        * 話が見えないので、少し前の話から始めます。 タンバリン星国侍従長のヘンゲリーノは、 王の間の本棚を整理中にこんな記述の書かれた 日記を発見したのでした。 「・・遂に、研究していた「最終兵器」が完成した。 記憶のコントロールも完璧だ。 だが、私はもう長く無い。 ・・世を破滅に追い込もうとする者あらば、 「ディープ」を・・」 ヘンゲリーノ「ここで途切れている・・ 「最終兵器」か・・・」 最初はただの好奇心だった。しかしもう 自分は軍の基地に潜入し、機密兵器を 奪い取ろうとしている。もう後には戻れない、 そう思いながら基地内を進んでいった・・         * ヘンゲリーノ「・・ユーザーデータを登録後、パスワード を入力、パスワードはD・A・R・Kっと・・・ 最後にエネルギーオーブをセットか・・」 少し鈍い音を発しながら装置は作動しました。 装置は少しずつせり上がり、何かを収容したタンクが 見えました。しかしその中から顔を出したのは・・ ヘンゲリーノ「なッ!?あ、あなたはコメット王女!? なぜこんな所に・・いや、まさかコイツが・・」 「私の名はディープ。私を目覚めさせてくれたお礼に、 貴方の願い、叶えて差し上げましょう。」 ヘンゲリーノ「・・!?」 「・・こちらスコーピオン小隊 HOT SHOT、 機密兵器の覚醒を確認、強制排除に移る。」 ヘンゲリーノ「ええい、こんな時に!」 ディープ「・・我が力、とくとご覧あれ・・。」 ヘンゲリーノ「なッ、おい待たんか! 相手は強力なガードロボットじゃぞ!」 10秒、いや7秒ぐらいだろうか・・ ヘンゲリーノが忠告する前にガードロボットは 真っ黒なスクラップへと形を変えていた・・ ヘンゲリーノ「・・あのガードロボットを易々と・・ お前が本当にあの最終兵器「ディープ」なのか!?」 ディープ「・・エネルギーオーブと共に、 スペースコロニー「DARK」へ、中央制御室でお待ちしています」 ヘンゲリーノ「!?待て!待たんか!」 ・・これが後にコメットさん達を巻き込み、 星雲消滅の危機に追い込む、壮大な物語の幕開けでした・・  08:25 ハモニカ星国城内 地球での王子様探しに終わりを告げ、 星国での暮らしに戻ったコメットさん。 今日は自分の部屋でゴロゴロしていました・・ コメット「ふぁ〜・・帰ってきてから退屈〜 なんか面白いこと無いかな〜・・」 するとラバボーが血相変えて部屋に乗り込んで来ました。 ラバボー「ひっ、姫様!テレ、テレビ!早く、早くッ!」 コメット「・・どしたの?そんなに慌てて・・ まあ見ろっていうなら見るケド・・」 「昨夜、タンバリン星国国営銀行が何者かに襲われ、 保管されていた宝石エネルギーオーブが盗まれる事件 が発生しました。」 コメット「・・単なるニュースじゃない。」 ラバボー「続きっ、続きがあるんだボ!」 「・・犯人はハモニカ星国王女、 ラ・コメット・ハモニカであると推測されています。 犯人は軍のガードロボットを破壊し、現在も逃亡を 続けています・・」 コメット「・・・!!!???」 ラバボー「姫様!?姫様しっかり!!」 しかし時はもう既に遅かったようです・・ 警察ビト「コメット王女!署までご同行願います!」 コメット「えぇ!?えええええーっ!?」         * ・・現在当機はハモニカ星国上空を通過中、 機体、行路共に以上無し。 逮捕した王女の様子はどうだ!? 特に異常は見受けられません・・アッ! ど、どうした!? 大変です!王女の乗っていた部分が老朽化で 剥がれ落ちました!! コメット「きゃああああっ!!」 どうやら落ちた場所は木の上だったので無事でした。 コメット(でも、なんで私が軍に追われているんだろう!?) 「・・市内警備中の全車両に継ぐ。 逃亡者がこの付近に墜落した。 完全に道路を封鎖し、逃亡者を捕獲せよ。」 コメット「な、なんで私が逃亡者なんかに!? に、逃げなきゃ!逃げなきゃっ!」      * 8:45 タンバリン星国宮殿内 プラネット「ハァ、ハァ・・観念しろこのコソ泥!」 「うぐッ・・」 プラネット「いいか!そのマスターオーブには エネルギーオーブの暴走を止める重要な役目があって・・」 タンバリン星国の王家の大切な宝、マスターオーブ。 王子はそれを盗んだ者捕まえている最中でした。 しかし、その時空中から以外な人物が現れました・・ ヘンゲリーノ「オーブの反応があるから来てみれば、 これはマスターオーブではないか!」 プラネット「おい!何をする!侍従長!」 ヘンゲリーノ「おやおや殿下。これはワシがいただいて いきますぞ、ホーッホッホ!」 プラネット「クゥッ・・待ちやがれ!」 そういうと王子はバトンを振って、 オーブを粉々に砕いてしまいました。 ヘンゲリーノ「ぬォッ!何をするのですっ!」 プラネット「カケラを集めればまた元に戻るんだ! お前に盗られるよりましだ!」 ヘンゲリーノ「・・、まあいい、一度基地に戻って 調べなおしとするか・・・」 プラネット(さて、これからが大変だな・・ でもなんでアイツがオーブなんかを・・?) それでは話をコメットさん側に戻してみましょう。 コメット「フゥ・・いい加減街を出ないと・・ 何されるか分かったもんじゃない・・ ん!?」 「・・スパイダー小隊BIG FOOTより指令本部へ。 手配中の逃亡者を発見。捕獲作戦を実行する。」 コメット「いやぁー!なんで私ばっかりこんな目にー!? もー怒ったわ! 呪文省略エトワール!」 コメットさんはティンクルドレスに身を包み、 軍のロボットを相手に戦い始めました・・ そして・・ 「・・つ、強い・・強すぎるぅ・・」 コメット「ハァハァ・・ようやく終わった・・」 あまりに疲れたのか、その場に座り込んでしまいました。 しかし目に信じられない光景が飛び込んで来ました。 コメット「(なっ、あれは・・わ、わたし・・?)」 ディープ「まずは一つ、無限の力を生み出す奇跡の石・・」 コメット「なるほど、私はアナタの代わりに軍から追われているのね!? ねぇ!なんとかいいなさいよっ!」 ディープ「オーブ・コントローォォル!」 その瞬間、激しい光が発生し、コメットさんはおもわず 立ち止まってしましました。 ディープ「・・私の名はディープ。この星雲唯一にして 究極の存在。今は先を急ぐ、遊びは終わりよ!」 またまぶしい光がディープを包み、ディープは どこかに消え去っていました・・・ コメット(あの人は、一体・・?) 「・・そのまま両手を挙げて大人しくしろ!」 コメット「って、ま、またぁ・・!!?」 9:48 スペースコロニー「DARK」内部 ディープ「・・お待ちしておりました。 それでは、Pr.ダークの遺産をご覧に入れましょう。 その昔、星雲最高の科学研究施設だったここで 多くの恐ろしい兵器が生み出されていた事実を 知る者は少ない、コレはその一つ 星をうがつもの・・エクリプス・キャノン!」 ヘンゲリーノ「星を・・うがつもの・・?」 ディープ「ただし、今は封印されています。 起動するには、莫大なエネルギーが必要なのです。」 ヘンゲリーノ「それで、エネルギーオーブ、と言う訳か。」 ディープ「そう!この兵器を完全に目覚めさせれば、 あなたは星をも砕く力を手に入れ、意のままにする事が 出来ます、星雲の・・すべてを・・!」 ヘンゲリーノ「フフフ・・ハァーハッハッハ! 面白い!やってやるわ!コレを使って歴史に我が名を 残してくれようぞ!」            10:25 カスタネット星国 監獄島 ヘンゲリーノ「まさか今一度軍の基地に乗り込むことになるとは・・ では作戦を確認するぞ。まずはこのワシが先頭に立ち 軍のヤツらをかく乱させる。お前はその間に基地から オーブを盗み出し、コレを仕掛けてくるのじゃ。」 ディープ「コレは・・爆弾ですか?」 ヘンゲリーノ「ヤツラの追撃は厄介ゆえ島ごと爆破して これをかわすという訳じゃ、制限時間は30分! 二度目は無いぞ!心してかかるのじゃ!」 10:38 監獄島近海 ラバボー「・・ありがとう、ありがとうだボメテオさん・・」 メテオ「あのねぇ、いくらなんでも鼻水すすりながら 泣きじゃくられたら断るに断れないじゃないのよっ!」 ムーク(本当は純粋にコメット様を助けたいだけなんじゃ・・) メテオ「・・・なんか言った?」ムーク「あ、いや・・」           * ヘンゲリーノ「よし!こっからは作戦通り・・」 ラバボー「ひ、姫様ぁ〜!よくぞご無事だったボ〜!!<涙 ・・ってあれ?輝きが少し違う・・あんた誰だボ!?」 ヘンゲリーノ「それはこっちのセリフじゃあ!」 ラバボー「げーっ!あの時(34話)の裁判長だボーっ!」 ヘンゲリーノ「ここはワシに任せて、先に行け! さあ観念せいラバボー、そしてメテオ王女!」 「待てっ!その人達に手を出すな!」 メテオ「!?カ、カロン!あんたなんで!?」 その瞬間三人は目を疑った。 あの弱虫カロンが小型戦闘機でヘンゲリーノの前に 立ちはだかり、なおかつ、やる気マンマンだったからである。 カロン「話は後!早くコメット様を助けに行ってください! トルネード、モードチェンジ!」         * コメット「・・なんで私が捕まんなきゃいけないんだろう・・ ドン!ガラカラカラ・・ メ、メテオさん!?それにラバボー!」 メテオ「しーっ!大きな声出さないで!」 コメット「私を助けに来てくれたの?」 メテオ「助けたらあのカリカリ坊やと別れる?」 コメット「うぐっ・・」 メテオ「オホホ!冗談よ。それよりここじゃ話も 出来ないから、アンタはこの監獄から脱出なさい。 近くの森の中で落ち合いましょう。」 コメット「でもメテオさん達は・・?」 メテオ「私は、カロンの様子を見に行かないといけないから」 コメット「カロン君?カロン君がどうかしたの?」 メテオ「アイツったら私達をかばって怪しい奴と戦ってるのよ。」 コメット「じゃあ私も一緒に!」 メテオ「バカね!アンタが入口付近を出歩いたら また捕まるのは目に見えてるでしょーに!」 コメット「・・わかった。じゃ先に行ってるよ!」 11:24 監獄島 入口付近 ヘンゲリーノ「・・この場は引き分けておいてやる! だがこの次はこうはいかんぞ・・。」 カロン「・・・フゥ。助かった・・・」 メテオ「あっ!大丈夫カロン!」 カロン「いえ、あんなのたいしたことありませんでしたよ。」 メテオ「へぇ、少しはやるようになったじゃない。 それはそうとこの戦闘機みたいなのは何よ?」 カロン「これは、戦闘機と二足歩行にモードチェンジ出来る 可変メカ「トルネード」って言います。 実はコレ僕が地球で覚えた技術を使って作ったんです!」 メテオ「アンタ、こんな事出来んの!?」 カロン「昔から機械いじりは好きでしたから。」 メテオ「アンタねぇ!これは機械好きだからって出来るモンじゃない わよ絶対!」 カロン「まあそんな事はおいといて、 コメット様はどうしたんですか?」 メテオ「(置いとくなよ!)コメットはあっちの森に 行くように言ったから、そろそろ迎えにいってやんないと・・」 カロン「分かりました。じゃ後ろに乗ってください。」 メテオ(うっ、少し狭いっ・・)          11:26 監獄島森林エリア 「・・追え!関係者は一人も逃がすな!」 「ハァ、ハァ、ハァ・・」「ハッ、ハッ、ハッ・・」 「・・お願いよディープ、私の代わりにいつか必ず・・ あの星に住む全ての人々に・・」 「マリアさん!マリアさーぁぁん!!」 「アディオス、ディープ・・」 ※すべてディープの妄想です。 ディープ「分かっていますマリアさん、私はこの星に住む全ての 者達に・・ 復讐を!」             * コメット「・・ここまで来ればもう大丈夫かな・・? 走ってばっかで疲れちゃった、休憩しょっ。」 ラバボー「にしてもなんでこんな森の部分を残しておく 必用があるんだボ!?」 コメット「脱走してもすぐには逃げられないように する為なんじゃないの?」 ラバボー「確かにこんな森ばっかじゃあ逃げる気もうせるボ・・」 コメット「アハハ、そうだね・・ あ、アレは!」 ディープ「あ、あの時の・・」 ラバボー「ゲゲッ!あの時の姫様似の人だボッ!」 コメット「見つけたよ、私のマネビトさん!」 ディープ「マネビト・・? 偽者はアナタじゃないの? いやニセモノと呼ぶにも、レベルが違いすぎるかもね。」 ラバボー「ムカーッ!姫様、あんなのススッとやっつけてだボ!」 コメット「えっ?、ええーっ!? わたしじゃあんな凄い人とやりあえる訳ないよぉ!」 ディープ「フン、ニセモノのくせにとんだ腰抜けねアナタは。 じゃあ通行の邪魔だからどきなさい。顔も見たくないッ!」 ラバボー「姫様っ!あそこまで言われて悔しく ないのかボッ!?」 コメット「う、うぐぐぐ・・・ アンチクショオォ! どーにでもなりやがれぇぇぃ!! 勝負!」 ラバボー(ひ、姫様がブチ切れた・・・) ディープ「フフ、アナタがやるきになっても所詮 私のスピードについて来る事は不可能! 悪いケド・・ 死んでもらうわよ・・!」 コメット「ぐはぁ!へぶっ、げほっ、げほっ・・・」 ディープのすざまじいスピードから繰り出されるパンチで コメットさんは四方八方から殴られて倒れかけましたが、 気力でなんとか体を支えました。 コメット(普通に戦ったらあの人には勝ち目が無い・・ あの人の隙をついて星力を使うしかないっ!) ディープ「アラアラ、あんなに強がってたのにもう終わり なのかしら?」 コメット「(ムカッ)まだまだっ!私はあきらめない! 勝算だってあるもんっ!呪文省略エトワール! 喰らえ!星力ホーミングミサイルーッ!」 コメットさんは星力で4本の追尾ミサイルを作り、 一瞬の隙をついてディープ目掛けて発射しました。 不意をつかれたディープは全てのミサイルをモロに 喰らって爆風と共に吹き飛んでしまいました。 コメット「ハァ、ハァ・・」 ラバボー「凄いボ姫様!いつの間にあんな技を!?」 コメット「へへっ、私だってやるときゃ やるんだよっ。」 ディープ「甘い、甘いわねアンタ・・」 コメット「エッ・・!?」 その瞬間爆風の中から黒く丸いエネルギー弾が 飛んできて、コメットさんのわき腹に直撃しました。 当たり所が悪かった為か、コメットさんは悶絶寸前でした・・。 コメット「ゲホッ・・な、なんで、全弾命中したハズなのに・・」 ディープ「アナタも予測していたハズよ、 私もバトンぐらい使えるって事を・・」 コメット「でも、なんで!?なんでバトンで ミサイルを弾く事が出来るのっ!?」 ラバボー「・・姫様、あれは普通のバトンじゃないボ。 あれは「エターナルバトン」って言って、 無限に星力を生成する代わりに持ち主の体力を削ってゆく 恐ろしいバトンなんだボ・・」 コメット「でも確かアレはわたしが生まれる前に 製造中止になって廃棄処分に・・」 ラバボー「なんで持ってるかは知らないケド、 あの人・・この時代の人じゃないボ・・」 ディープ「オラオラ!動かないなら私からいくわよ!」 今度はエネルギー弾をあらゆる方向に飛び散らせました。 コメットさんは逃げる事も出来ず、 またエネルギー弾に阻まれ反撃も出来ない、 まさに地獄絵図を見ているような心境でした・・ コメット(グズグズしてたらアレにやられて立ち上がれないし、 かといって反撃するにもあれの弾をなんとかしなきゃいけないし、 ど、どうしょう・・) ラバボー「姫様ぁ!これじゃあ何にもならないボォ・・」 コメット「うるさいっ!少し黙って・・あっ! ・・ラバボー、少し痛いケド・・我慢してっ!!」 ラバボー「えっ、あっ、いや・・ ギエエエ!!」 コメットさんはあろうことか、ラバボーを盾にして エネルギー弾を突破し始めました。 その時の苦痛に歪んだラバボーの顔・・  コレが小説でホントによかった。 ディープ「フ、フン!いくらその動物を盾にして進んだとしても 攻撃出来なきゃ意味無いじゃないの! えっ!?」 コメット「たあああああああっ!」 ディープ「(ブラシ!?)なっ、いつの間に上に!?」 コメットさんはディープをラバボーに集中させ、 自分は地面に潜って、丁度後ろになる所でジャンプし、 星力で作ったブラシで思いっきりディープの頭をぶったたきました。 どうやらクリーンヒットしたのか、 ディープは頭を抑えて震えていました。 コメット「ハァッ・・!ど、どうだっ!」 ラバボー「ヒメさまぁ・・辛すぎるボ・・」 ディープ「よ、よくもニセモノの分際で私の頭にっ・・ お前だけは・・殺してやる・・!!」 コメット(なッ、まだ動けるの・・?) しかし、突然ディープに無線連絡が入りました。 ヘンゲリーノ「おい!何をしておる!? 早くせんと貴様も島ごと吹き飛んでしまうぞ!」 コメット「ふ、吹き飛ぶ!?」 ディープ「くっ、今日は引き下がってあげるわ、 でも次に遭う時は・・絶対殺してやる!」 コメット「行っちゃった・・」 ラバボー「姫様!早くしないと島が爆発しちゃうボ!」 コメット「・・・クッ、ラバボー!この事を みんなに知らせに行くよっ!」 スペースコロニー「DARK」内部 ヘンゲリーノ「おやディープよ、何黄昏ておるんじゃ?」 ディープ「・・・」 ヘンゲリーノ「おーい!聞いとるかー?」 ディープ「はっ!すみません、何でしょう?」 ヘンゲリーノ「あんな思いをしてもまだ6個しか集まっとらん、 おぬしは何か知らんか?このままじゃ何も出来ぬぞ?」 ディープ「ああ、その事なら心配ありません。 6個もあればデモンストレーションをするぐらいは可能ですから。 さあ、パーティーを始めましょう。」 ヘンゲリーノ「よ、よし!分かった。早速準備じゃ」              * 某月 某日 18:00 ハモニカ星国市外 コメット「・・じゃああの人については何も分からないの?」 カロン「ええ。コメット様に似ていた事は確かなんですけど、 あ、まさかクローンじゃないんですか!? どっかで知らず知らずに髪の毛抜かれてたんじゃ・・」 コメット「ちょ、ちょっと!そんな怖い事言わないでよ・・」 ラバボー「それにクローンなら性格とかも似るハズだボ。 あれはヒメ様のクローンじゃないと思うボ。」 カロン「じゃあ一体なんなんだろう・・?」 みんなが考えている時に突然メテオさんが割り込んで来ました。 メテオ「ちょ、ちょっと!いそいでこっちのテレビを見なさいっ!」 コメット「っわわ、何!?何ーっ!?」 「んなーはっはっは!ワシの名はヘンゲリーノ。 星雲史上初めて全星国の支配者となる星人じゃ! ヘンゲリーノ帝国の開幕セレモニー、心して見るがよい!」 そう言うと映像が宇宙に切り替わり、スペースコロニーが 映し出されました。そして七色の野太い光線が発射され、 星雲の隣の大きな惑星が粉々に砕けたのです! 「んなーはっは、はぁーはっはっはっは!」              * ラバボー「うそっ、惑星が粉々に砕けちゃってるボ・・」 メテオ「あのカメレオンジジイったら調子に乗っちゃって!」 コメット「でも何処からあんなエネルギーを―・・?」 カロン「・・多分コレだと思います。」 メテオ「カロン、あんたそれエネルギーオーブ!?」 カロン「オーブは磁石みたいに引き合う性質を持ってるんです。 それを利用すれば奴らの場所も分かるかもしれない!」 コメット「よーし!じゃあ早速・・」 「そこの3人と二匹!、両手を挙げて大人しくしろっ!」 コメット「じ、じゃあ私が警察を引きつけるから、 カロン君は隙を見てあの人達の居場所を見つけて!」 カロン「は、はいっ!」 メテオ「3人ってことは、私もーっ!? ま、待ちなさいよカロンーッ!!」          * ディープ「・・おや、どうなさったので?」 ヘンゲリーノ「各国との交渉が失敗したんじゃ! そ、そんな事より最後のオーブでも見つけてこんか!」 ディープ「(随分キテるなぁ・・)在り処の見等は もうついてます、ほらコレを・・」 ヘンゲリーノ「なになに・・ ”銀行強盗事件から街の住民を救った 10歳の少年カロン君に、街からは 大きな宝石エネルギーオーブが贈られた・・” !!こいつは朝ワシに歯向かったガキではないか! ぬぅ〜!、ディープよ!何としてもこのガキを探し出し オーブを奪ってくるのじゃ!分かったな!?」 ディープ「(そりゃ単なる逆恨みだよ・・) はい、今すぐにでも・・ いよいよだよ、マリアさん・・」 ヘンゲリーノ「お、何か言ったか?」 ディープ「あ、いや何でもありません!ホント何にも!」 翌朝 ハモニカ星国市外 コメット「・・それで何か分かった?」 カロン「どうやらタンバリン星国の王様と会話してたようです。 僕ら今その王様を追ってるんです。 見つけたら連絡するので、それじゃ!」 プツン・・ メテオ「・・でもココじゃその王様はいないんじゃないのぉ?」 カロン「どうやら、あの事件をきっかけに 三国の王様で会議が開かれる事になってるそうです、 都合よくこの星国で開かれるって言ってたから・・ !?」 話している間に突然マンホールが開いて、 中から人が現れました・・。 メテオ「あ、あなた様は、で、殿下!?」 カロン「どーしてマンホールから出て来るんですっ!?」 プラネット「いやー、マスターオーブのカケラを 探してる間に古い炭鉱に入ってさ〜、 そっから出口探してたら下水道に繋がってて・・ で、何してんだ、君らは。」 カロン「あ、いやタンバリン星国の王様に・・」 プラネット「へぇ〜、オヤジココに来てんのか〜。 よし、俺も手伝うよ。」 カロン「あ、で、でも〜・・」 メテオ「て、手伝ってくださるのですか!? お願いしますっ、お願いしますわぁ〜!!」 カロン(執念、感じるなぁ・・)          * 秘書「・・国家存亡の危機ですね、閣下・・。」 王様「ふむ、君の意見は結構だ、それじゃあ君の意見を 聞こうじゃないか、ヘンゲリーノ。」 ヘンゲリーノ「・・話がお早いですな。閣下。 私の要求は単純明解ですじゃ。無駄な抵抗はやめて 私に従っていただきます。さもなくば・・」 王様「さもなくば・・?」 ヘンゲリーノ「・・アナタの国が消えてなくなるまでです。」 「ヘッ!何が私の王国だっ!」 王様「ナッ、何故お前がココに!?」 プラネット「カロン、だっけ?どーだそっちは?」 カロン「探知成功!場所は「DARK」っていうスペースコロニー です、殿下!!」 メテオ「よーし!さっさとコメットと合流するわよ!」 王様「おい待て!お前に何かあったら・・」 プラネット「心配ないって親父! 後は俺達が何とかするからよっ!」 王様「・・・・・・・・。」 13:48 ピラミット周辺 コメット「こんなピラミットに秘密基地を?」 プラネット「ああ、アイツはよくあそこで 何かしらやってたからな・・ あのカメレオン、相当のメカマニアだからな、 宇宙船の一つや二つコレクションしてるだろ。」 メテオ「・・今の私達は犯罪者扱いだから、 星のトレインを出してくれるハズもないし・・」 カロン「とりあえず中に潜入しましょ!」 ラバボー(なんかやけにウキウキしてるボ、カロン君・・) コメット「何か薄暗いねー・・ うわぁ!」 ラバボー「うわぁ!姫様が落とし穴に落ちたボ!!」 プラネット「こりゃ一筋縄じゃいかないかもな・・」 メテオ「じゃ行きましょ殿下☆」 ラバボー「ちょっと!姫様はどーなるんだボ!?」 メテオ「なによぉ、アンタが助りゃいいじゃないの!」 カロン(メテオ様、ムゴイ・・) (チョット戻って)13:34 山岳地帯 ディープ「・・彼らはまっすぐ基地に向かいました。 どうなさいます?」 ヘンゲリーノ「今レーダー上で確認したわ、 フン!なんだかしらんが丁重にお迎えしてやるワイ。」 ディープ「・・・・・・・。」 14:19 ピラミット内部 プラネット「ふぅ、えらい目にあったぜ。」 コメット「もー、私なんか何度落とし穴に落ちた事か!」 カロン(一体どう言う施設なんだ?ココは・・) メテオ「さぁ、さっさと先行きましょ。」 ムーク(なぜメテオ様だけだけなんにもなかったんだろう?) 「このこそ泥ネズミ共!生きてココを出られると思うなよ!」 カロン「あっ、あの時のカメレオン!」 ヘンゲリーノ「今度こそ貴様の命と エネルギーオーブ頂かせてもらう! いでい!我がしもべよ!」 ヘンゲリーノがそう叫ぶと、流砂の中から大きな巨人が 現れました。巨人はカロン君をじっと見つめています。 ヘンゲリーノ「さあ行け!そのガキをひねり潰してしまえ!」 カロン「しかたないっ、ここは僕がやりますから、 早くロケットを探し出してください!」 コメット「うん、無理しないでねっ!」 15分後。 カロン(こんだけ弾を打ち込んでも倒れないなんて、 なんて奴なんだッ!コイツ・・) ヘンゲリーノ「ほーっほっほ!あがいても無駄じゃ! 大人しくやられるがよい!」 ほとんど負けを認めたカロン君でしたが、ここで 奇跡が起こりました。 なんと強い地震が発生し、 その地震で崩れた瓦礫がロボの制御装置に クリーンヒットしたのです! ヘンゲリーノ「さっきの衝撃で制御装置がイカれて しまったのか!?ええーい!この役立たず!」 「シンニュウシャ、ハイジョ。シンニュウシャ・・」 ヘンゲリーノ「うわ、うわーっ!?」 カロン(!?何だか知らんが、助かった・・?) コメット「は、早くシャトルが発進しちゃうよ!」 カロン「もう見つけて、なおかつ発進もするんスか!? 冗談じゃない!ま、待ってー!」 5,4,3,2,1・・ シャトル、発進します。  宇宙空間 「ここがスペースコロニーか・・」 ガスッ! 「きゃあ!隕石にぶつかっちゃった!」 「おい、後ろのハッチ、開いたんじゃ・・」 「心配ないボ。どうせ中にはマスターオーブしか・・」  「それの何処が大丈夫だ!?降ろせ! 今すぐ降ろせーッ!!」 「あっ、そこのレバーは・・ あっ、ああー!!」 「キャアー!」 「まだラバピョンと結婚してないのに死にたく 無いボーっ!!」 スペースコロニー 「DARK」内部 ラバボー「ったく、あの人のせいで死にかけたボ!」 コメット「あれ、殿下は?」 カロン「もうとっくにいっちゃったよ・・ あ、それより作戦の説明をしますから! あのカメレオンが使った兵器は凄く頑丈に出来てます。 とても外からじゃ壊せないからこれを使って内部から 爆破するんです。」 メテオ「それ、エネルギーオーブなの!?」 カロン「ううん、僕が研究して、コメット様に作って もらったニセモノです。 パワーも純度も本物には敵わないけど、 同じ波長と特性を持ってるんです。 オーブのエネルギーを吸収して爆発する仕掛けになってる。 これなら機械も見分けはつかないでしょ。 僕は電源装置を見つけて壊すからそのスキにこれを すりかえてきてください!」 コメット「機械が停止している間に摩り替えるんだ・・」 メテオ「じゃあさっさとやっちゃいましょ! こんな寂れた所なに長時間いられないわ!」         * ヘンゲリーノ「ハァ、ハァ・・何で自分で作ったロボットを 自分で壊さにゃならんのじゃ・・クソォあいつら・・」 ディープ「・・どうなさったんですか!?それ」 ヘンゲリーノ「悪い、ヤツラに逃げられてシャトルを 一台持ってかれてしまった・・、早く追わねば。」 ディープ「(やはりあいつ等はほっといても私の邪魔を しに来る、早く排除せねば・・)では私が・・」 ヘンゲリーノ「待てぃディープ。やつらに引導を渡すのは このワシじゃ!今こそあやつらとの戦いに終止符を打ち、 このワシの名を永遠に歴史に刻む時じゃ!」 ディープ「で、でも・・!」 ヘンゲリーノ「・・じゃがもしもの時は、後を頼んだぞ。 急がねば、全てを得るか失うかココが瀬戸際じゃ!」 ディープ「・・・・。」    ヘンゲリーノの発射予定時刻まで残り・・    1時間 10分 メテオ「ったく・・なんで私だけココで待機なわけぇ!? ほんとやんなっちゃう!」 ムーク「我々は役立たずなんですから、 ココでじっとしてましょうよぉ・・」 メテオ「あん!?誰が役立たずですってぇ〜!?」 ムーク「いだ!姫様っ!羽はやめて!羽は・・」 「これはこれはお嬢さん、たいそうお困りのようですな。」 メテオ「か、カメレオン・・」 ヘンゲリーノ「命が惜しいならヤツラの居場所を教えるんじゃ!」 発射予定時刻まで残り・・ 45分 カロン「・・OK、コメット様、じゃそのオーブを・・」 ヘンゲリーノ「そのまま研究所跡地に持ってくるよう 伝えるのじゃ・・!」 カロン「コメット様ぁ・・メテオ様がぁ・・」 コメット「ど、どうしたの!?メテオさんがどうしたの カロン君ーッ!?」 発射予定時刻まで残り・・ 32分 コメット「・・メテオさんを離してください、侍従長。」 ヘンゲリーノ「まあまあ、ビジネスライクに行こうではないですか。 まずはあなた様がお持ちになっているオーブをお渡し願います。 この方の命が惜しいのでしたらな・・」 カロン「な、なんて卑劣な!」 コメット(あの人に本物と言って渡せば手間も随分省ける・・) メテオ「キャーッ!コメットぉ、助けてぇー! (フッ、こんなもんかしら・・?)」 コメット「分かりました。お渡しします。」 カロン「・・・」 ヘンゲリーノ「そのままそこに置いて下がってもらいます。」 コメット「悪役が板についてきましたね侍従長・・ んなっ!?」 突然地面からカプセルが飛び出し、コメットさんを飲み込みました。 あわてふためく3人を尻目にヘンゲリーノはこう言いました。 ヘンゲリーノ「フフ、そんなニセモノにだまされると思うてか!」 カロン「そんな、なんで分かったんだッ!?」 ヘンゲリーノ「フン、そんな事たった今おぬしが教えてくれたわ、 あとはコメット様もろとも宇宙に放り出して、爆破してくれるわ!」 メテオ「そ、そんなっ・・」 コメット「メテオさん、カロン君、そしてラバボー・・ 後は頼んだよ。 ・・元気でね・・。」 ヘンゲリーノ「さらばじゃぁ、 ラ・コメット・ハモニカ王女よ・・」 ラバボー「ひっ、姫様ぁ〜・・ うっ、う・・」 カロン(な、何て奴だ!畜生、もう許せない!) メテオ「コ、コメット・・・」 コメット「(ツヨシくん、ネネちゃん、楽しい思い出ありがと。景太朗パパ、沙也加ママ、       お世話になりました。星国のお父様、お母様、先立つ不幸をお許しください。       そしてケースケ、もう一度会いたい・・!)」 死ぬ覚悟をしたコメットさんはふと手元のオーブに 目をやりました。 「・・パワーも純度も本物には敵わないケド、 同じ波長と特性を持ってる・・」 コメット(同じ波長と特性・・?・・!? そうか!、でも出来るかな、わたしに・・) ヘンゲリーノ「さぁて、次はキサマじゃ! 最後のオーブ、大人しく渡すなら見逃してやってもよいぞ?」 カロン「・・あのコメット様が・・」 ヘンゲリーノ「アアン?」 カロン「あのコメット様が僕に始めて頼むって言ってくれたんだ! だから、絶対、絶対に逃げたりなんかするもんかっ!」 ラバボー「カロン君・・・」 エクリプスキャノン再発射まで残り・・ 23分 カロン「ハァ、ハァ・・ごめんよ、コメット様・・」 ヘンゲリーノ「お、おのれてこずらせおって・・ だが、これでオーブは全てワシの手中に収まった事になる、 フフフ、ハァーッハッハッハ!」 ラバボー「カロン君ッ!!」 ヘンゲリーノ「お前らのような低俗星使いごときが ワシに歯向かうなど100年早いわ!ハーッハッハッハ!」 メテオ「(・・!)アンタねぇ!さっきから黙って 聞いてたけどこの子をバカにするのをやめなさいっ! ・・確かにこの子は星使いとしてはまだ未熟、 でも、コメットや私達の為に決死の覚悟で アンタに向かっていったのよ!? そんなこの子をバカにするなら・・ この私がお前を叩きのめしてやるんだからっ!」 そう言った瞬間、メテオさんはヘンゲリーノに 飛びかかり、ひたすら殴り始めました・・ メテオ「ぬわぁー!これでもか!これでもかっ!」 ラバボー「(!!)よっしゃー!加勢するボメテオさん!」 二人「ぬりゃああああああ!」 ヘンゲリーノ(ヤバイ、星力も残りわずかじゃし、 このままじゃ殺られる・・!) エクリプスキャノン再発射まで残り・・ 21分 プラネット「ふう、これで全部か・・ まったくヤレヤレだぜ・・ ・・ん?なんだこの気配・・?何かが近づいてくるような・・」 その瞬間、まばゆい光と共にコメットさんが 光の中から現れました。 コメット「あ、あたし生きてる・・? や、やった!」  プラネット「おい、一体何があったんだ!? コメット「やれば出来るんだ、オーブコントロール・・」 プラネット「なんだそりゃ?」 コメット「・・お願いしたいことがあります。 この先の研究所跡地に向かってください。 そして、メテオさん達を助けてあげてください! ・・私はもう行けないかもしれないから・・」 プラネット「オイ!そりゃどーゆー意味だよっ!?」 コメット「私は・・ 発射寸前にあの兵器の砲口にコイツを放り込んできます!」 プラネット「ちょっと!そしたら君も無事じゃすまな・・ おい、コラ待てってば!」 エクリプスキャノン再発射まで残り・・ 20分 ディープ「所詮は、ただのニセモノか・・ あの子も・・」 「ディープはあの星達が好きなんだね。」 ディープ「プロフェッサーは、自分の研究をあそこに住む 人達の為だって言ってる・・ 化学の力で皆を幸せにする、それが自分の生きがいだって。 マリアさん、私は何の為に生まれ、何をすればいいのか・・ いつかあの星々に行けば、それが分かるのだろうか・・・」 「ディープ・・・」 ピピ、ピピピ! ディープ「!? ヘンゲリーノ様ですか!?」 ヘンゲリーノ「がほっ、オ、オーブを全部手に入れたぞ、  二人「うらァああああああ!!」 うげほ!ぐはぁ!」 ディープ「な、そっちで何が起こっているんですかっ!?」 ヘンゲリーノ「へぶし! ワシの事は気にするな、 それより何者かがまっすぐキャノンの砲身に向かっとる! ぎゃはぁ、 発射まで時間がない、お、お前はそっちに・・ 二人「死ね死ね死ね死ねーっ!」 ああ、ああああああっ!!」 プチッ・・・ツー、ツ・・ ディープ「・・・・・・!?!?」 エクリプスキャノン再発射まで残り・・ 5分44秒 ・・遂にコメットさんは幾多の罠を乗り越え、 砲口付近にたどり着く事が出来ました。 コメット(ハァ・・ようやく砲口かぁ・・ みんな待ってて!私が必ずっ・・) ディープ「・・正直驚いたわ、てっきりあの爆発で 宇宙のチリにでもなったかと思ってたのに・・。」 コメット「・・あなたのおかげで助かりました。 あなたが教えてくれたんですよね、コレ。」 ディープ「(まさか、そんなニセモノでオーブコントロール を!?)・・どうやら似ているのは姿形だけではないようね、 あなたは一体何者なのっ!?」 コメット「わたし?私は・・ハモニカ星国の王女、 ラ・コメット・ハモニカよ!」 ディープ「・・なるほど、だけどあなたの存在はもはや 無視できなくなった、あなたの悪あがきは・・ ここで終わりにしてもらうわよっ!」 エクリプスキャノン再発射まで残り・・ 44秒 ヘンゲリーノ「ハァ、ハァ・・ようやく逃げられたワイ・・ しかし、これでワシの計画は完成じゃ! わが理想国家、ヘンゲリーノ帝国の幕開けじゃあ! フフフ、ハァーッハッハッ・・!!」 ヘンゲリーノは今まで出した事の無いような 声で笑い続けた。そりゃ世界を自分の物に 出来たのだ、誰だって笑うだろう。 しかし、彼はここで気付くべきだった・・ キャノンのコアから流れる緊急事態を示す信号音に・・ 第一部 終・・・ プラネット「・・おい、おいお前ら大丈夫か!?」 カロン「う、うう・・ はっ!?殿下! そうか、僕はアイツにやられて・・そのまま、 ってメテオ様っ大丈夫ですかっ!?」 メテオ「う、うう〜ん・・いやっ! 汚い手で触んないでよぉこのバカぁ!」 カロン「(き、汚い手って・・)そ、それより あのカメレオン逃がしちゃったんですよ僕達!」 メテオ「も〜っ!じゃあ私達はどーすりゃいいのよっ!」 コメット「ハァ・・ハァ・・・ み、ん、な・・ ハァ・・ハァ・・」 ラバボー「ギャーっ!姫様の幽霊ー!?」 メテオ「ひ、ひいい!あ、ああ・・」 プラネット「おいどうしたその傷!?」 コメット「ぜ、全然平気よ、それよりゴメンね、みんな・・ 結局あの大砲、壊せなかった・・ 私にもっと力があれば、こんな事には、うっ、う・・」 カロン「コメット様・・」 ラバボー(よかった、幽霊じゃないみたいだボ・・) メテオ「・・コメット。今はそんな事をイチイチ詫びてる 場合じゃないでしょ!?あの大砲が壊せないんだったら あのカメレオンの所を直接叩きゃいいじゃないのよっ!」 コメット「メテオさん・・ ありがとう、う、うう・・」 メテオ「ほらっ!その涙さっさと拭くっ! さっさとカタつけるわよっ!」 全員「う、うんっ!?」 ムーク(ヒメ様・・このムーク激しく感動して おります・・ !!?) ゴゴ、ゴゴゴゴゴ・・・・ コメット「な、何この揺れ!?」 ラバボー「大変だボ!大変だボ!このコロニー、凄い勢いで トライアングル星雲に接近してるみたいだボ! このままじゃ・・ タンバリン星国に直撃だボ!」 プラネット「な、なんだとっ!?」 その時、部屋の中心部に設置されていた テレビが突然動き出しました・・・ 「・・たし、・・べてを・・うばっ・・」 プラネット「な、なんなんだ、この映像・・?」 エクリプスキャノン発射予定時刻 「・・しすてむニ異常発生、きゃのん発射デキマセン・・」 ヘンゲリーノ「んなっ!?こ、これは何とした事じゃ! なぜキャノンが発射せん!?い、一体何が・・?」 「わ・・から、す・・を、・・・た・・」 ヘンゲリーノ「こ、これはジェラルド・ダーク!? 何故こんな映像が・・?」 トライアングル星雲 全域 「これは全星人に対する死刑宣告だ・・ 私の計算に狂いがなければDARKは27分53秒後に タンバリン星国に激突しお前達は一人残らず消えてなくなる だろう・・」              * 「・・七つノえねるぎーおーぶガ揃ウ時私ハコノ復讐計画ガ すたーとスルヨウニシテオイタ・・プログラムハ既ニ不可逆ダ 私カラ全テヲ奪ッタ愚カシイ星人ドモヨ、 私ト同ジ絶望ヲ味ワウガイイ・・」 「他に残すべきメッセージはあるか」 「アリマセン・・」 「構え!」 メテオ「ねぇ、何なのよコレ、誰なのこのジジイ・・」 ヘンゲリーノ「・・Pr.ジェラルド・ダーク・・ 星雲最高の頭脳とうたわれた タンバリン星国の科学者じゃ!」 カロン「こ、これはお前の仕業なのか・・!? 今すぐ止めろ!さもないと・・」 ヘンゲリーノ「それが出来るくらいならとっくの昔に やっておるわっ!」 コメット「・・説明してください。」 ヘンゲリーノ「・・やはり生きておられましたか・・。」 ラバボー「お前!どーして姫様を殺そうとしたくせに そんな口が聞けるんだボ!?」 コメット「ラバボー・・あなたのきもちはよくわかる、 でも、今は・・・」 ヘンゲリーノ「それではこちらを・・」 そう言うと、彼はフロッピーディスクをコメットさんに さしだしました。 コメット「・・これは?」 ヘンゲリーノ「ワシが見つけ出したダークの日記 ですじゃ、よんでみなされ・・。」 「・・分からない。何故こんな事になってしまったのか。 究極の生物を作ろうなどという考えがやはり間違っていた のだろうか? ・・あの日コロニーに来た軍隊・・目的はおそらく プロジェクトの抹消だ、所の仲間達・・・ いとしい孫娘マリア、どうか無事でいてくれ・・。」 「・・プロトタイプを封印する為か、コロニー全域が封鎖された。 コロニーの閉鎖は表向き事故で発表されたようだ。 ・・事故の犠牲者の中にマリアの名前をみつける・・ 私は全てを失ってしまった、もう何もナイ何も考えられナイ 復讐以外ノ何も!おソろシい!私ハ一体何ヲ考えて イルノカ!?誰か、私を止メテクレ・・ 「おりじなるノでーたを元ニ遂ニ「でぃーぷ」ヲ完成サセタ、 記憶のコントロールモ完璧ダ。 後世ニ望ム者アラバアレヲ目覚メサセヨ、世界ニ・・」          * コメット「・・それで、軍の基地からディープさんを・・」 ヘンゲリーノ「暴走するエネルギーオーブの力を得て、 エクリプス・キャノンのコアは巨大な爆弾のようになっとる! 奴の言う通りこのままぶつかれば、星雲はチリ一つ残らんぞ! くそーっ!あのマッドサイエンティストめっ!」 メテオ「でも、元を作ったのはアンタじゃないのよっ!」 カロン「そ、そんな事より早く落下を止めないと!」 ヘンゲリーノ「・・おそらくコロニーの推進力も エネルギーオーブによるものじゃ! まずはその暴走を阻止せねばならん!」 コメット「・・でも、どうやって・・?」 プラネット「・・! そうか、俺のこのオーブを 使えばこの暴走も止まるかもしれない!」 カロン「大変だ!オーブの反応がコロニーの最深部に 移動してる!このままじゃ間に合わない!」 ヘンゲリーノ「・・いやワシら全員が力を合わせれば、 最深部まで最短ルートを通っていけるかもしれん!」 ラバボー「ちょ、ちょっと!このじーさんのいう事 信じるのかボ!?みんな!」 コメット「・・うん、私はこの人を信じる! ラバボー、ついて来てくれるよね。 ・・みんなも。」 メテオ「ま、そうしなきゃどうせ死ぬんだし。」 プラネット「やるだけやってやろーじゃねーの!な?」 カロン「はい、行きましょう、コメット様!」 ヘンゲリーノ「よぉぉし!作戦スタートじゃっ!」 コロニー地上激突まで残り・・ 19分52秒 ラバボー「・・何でボー達はお留守番何だボ? ムークさん・・?」 ムーク「そりゃ私達は役立たずだからに 決まっているだろう、ボー。 お前はそんな事も分からんのか!?」 ラバボー「そんならボー達よりメテオさんの方が よっぽど役立たずだと思うボ。」 ムーク「・・!え、ええーい!そんな事は絶対に・・ あっ、あれは・・! コメット様・・?」 ラバボー「(あれが姫様の言ってたディープさん なのかボ・・?)多分あの人が事件の発端だボ・・。」 ムーク「ボー!何をしておる! 早く逃げないと我々まで・・」 ラバボー「ダメだボ、ムークさん。 みんなだってがんばってる、 ボー達だって何かしないと みんなに顔向けできないボッ!」 ムーク「ボー・・・」       * ラバボー「ディープさん・・お願いがあるボ、 みんなを、みんなを救ってほしいんだボ!」 ディープ「・・コレは全て私が望んでやった事。 アナタ達を理由もないわ。 ・・助ける意味も。」 ラバボー「意味ならあるボ!確かに あの星ではあのじーさんが言った通り 毎日争いが絶えないし、バカなやつらばかり かもしれない、でもみんなあそこで生きてる んだボ!?昨日よりもいい暮らしをしようと 精一杯がんばってる!それを見守るだけでも 意味あるはずだボ!だから・・ あの星々に住む人達に、 もう一度チャンスを与えてあげてほしいボっ!」 ディープ「(・・・・!!)」 「・・あの星に住む全ての人々に・・・、 もう一度生きるチャンスを与えてあげて・・ ディープならきっとそれが出来る、 あなたはその為に生まれたの・・ アディオス、ディープ・・・」 ディープ「・・そうか、彼女が本当に望んで いた事は・・」 ラバボー「ディープさん・・?」 ディープ「もはや一刻の猶予もありません、 行きましょう、あなたと彼女の願いを かなえる為に・・。」 コロニー地上激突まで残り・・ 15分27秒 コメットさん達は4人で力を合わせ、 遂に敵の厳しい防衛ラインを突破して、 コロニーの中心部にたどりついたようです。 プラネット「こ、こりゃ家にあるマスターオーブの 神殿そのまんまだってばよ!」 コメット「(ってばよ!?)おそらく・・ オーブの力を100%引き出す為にマネて作ったんで しょ、多分。」 プラネット「へぇ〜・・あのおっさんもよくやるねぇ・・ って、そんな事を言ってる場合じゃねぇ! 急がねばぁ!」 コメット「チョット待って!何かの気配が・・ な、何か来る!」 「・・私カラ全てを奪った愚かしい星人ドモヨ・・」 プラネット「おい、来るぞコメットさん!」 「グオオオオ!!!」 コメット「な、何なの・・?トカゲ、いやカメ・・?」 プラネット「これが日記に書かれていた 究極生命体プロトタイプ!? 何だ、この威圧感は・・」 コメット「わ、分からない・・でも、怖い!」 「ここは私が引き受けましょう。」 コメット「ディープさん!やっぱり来てくれたんだね!」 ディープ「お礼ならあなたのペットにいう事ね。 私は命をかけてでもあのバケモノを止めてみせる!」 ラバボー「姫様ぁ〜!無事だったかボ!?」 コメット「ありがとう・・ラバボーがディープさんを 呼んで来てくれたんだね!?」 ディープ「感動の再会はその辺しなさい、 私がアイツを引きつけるからあなた達は エネルギーオーブに走りなさいっ!!」          * ディープ「来いバケモノ!私が殺してやるっ!」 「・・ヒサシブリダナ、量産型・・。 オ前、量産型ノ分際デオレノ邪魔ヲスル気カ?」 ディープ「(喋った!?、いやテレパシー!?) ・・確かに私は量産型かもしれない、 でも、お前は私の手で叩き潰してやるだっ!」 「イイ気ナモンダ、オレ様ニオ前ガ敵ウハズナカロウ、 ソレデモヤルカ・・ 死ヌノハキサマダ・・・ グオオオオォ!! プロトタイプはディープ目掛けて長い尻尾を ぶつけて来ましたが、間一髪ディープは ジャンプしてかわす事ができました。 「グオオ、ナラバコレハドウダ!」 ディープ「エネルギー弾!? あいつはあんな事も出来るのか・・ うっ、ぐああ!」 しかし敵の攻撃はどんどん激しくなり、 最初優勢だったディープもだんだんと 体力が無くなり初めていました・・ ディープ「ハァ、ハァ・・なんて憎たらしい奴なのっ!?」 「・・オ互イ様ダ、量産型ァ・・ ダガ、オ前ジャオレニ勝テン二ツノ理由ガアル、 一ツハ、我ガ圧倒的パワーガアル・・ 量産型、オ前ト違ッテナ・・」 ディープ「(効いている!?)言っとくけどね、 そんなパワーなら私だってあるんだからっ! 喰らいなさい、私の力!」 「マサカ、コイツガエネルギーヲ放射スルナド・・」 ディープはバトンを複雑に回し、星力を バトンの先に集め、プロトタイプにぶつけました。 その瞬間プロトタイプは壁の辺りまで押し出され、 巨大な爆風に包まれました・・。 ディープ「や、やったか・・?」 しかし、ディープが手を下ろした瞬間、 爆風の中からプロトタイプが出てきて ディープを足で押さえつけました。 不意をつかれたディープはそのまま 抵抗も出来ず倒れこんでしまいました。 「2ツ目ノ理由は・・オ前モワカッテルハズダ、 オレノ表皮ハドンナ攻撃モ吸収スル事ヲ・・」 ディープ「しまった、身動きが取れないっ!」 「消エロ、愚カナ量産型!」 プロトタイプは足で押さえつけたまま ディープ噛み付こうとしました、 しかし、ピンク色の閃光がプロトタイプの 動きを止め、ディープを助けだしました。 ・・誰だかもうお分かりでしよう。 「チ、余計ナ真似ヲ・・」 コメット「・・大丈夫だった・?」 ディープ「なぜ、私を助けに来た・・? あなたはオーブに走れといったのに・・」 コメット「お願い!私にも手伝わせて!」 ディープ「・・これは私の戦いなの、 あなたには関係ないわ、 それに足手まといが増えると迷惑よ・・」 コメット「確かに、私はディープさんよりも 弱いかもしれない、でも私達の為に 命をかけて戦ってくれている人を見捨てることなんて 私にはできない!・・お願い・・。」 ディープ「・・・ あり、がとう・・・ 私に力を貸してくれる?」 コメット「・・・コクッ・・。」 「ハ、一人増エヨウト同ジ事ダ!」 ディープ(聞いて、あいつの表皮は どんな攻撃をも吸収する力があるの。) コメット(じゃあどうやって・・?) ディープ(あせらないで。アイツの背中に 丸い形をした機械があるでしょう? あれはアイツの生命維持装置。 あそこを狙えばあいつも絶えられないはずよ! 問題は、どうやって攻撃をあそこに当てるかだけど・・) コメット「!! ディープさん、私に考えがあります。」           * コメット「このバケモノォ!こっちを見ろ!」 「ン・・? ナッ!?」 その瞬間コメットさんは星力で自分をたくさん増やし、 プロトタイプに目を向けさせました。 「オノレ、時間稼ギカ・・ ナラバオ望ミ通リ 全員消シテヤルワ!」 プロトタイプはたくさんのコメットさんにエネルギー弾を 放射しました。 「やーいやーい!こっちこっち!」 「こっちだよーっ!」  「ウ、ウググ・・ コレジャ切リガナイ・・ エエイ、コザカシイ!!」 「今だディープさん!」 「ナッ・・!?」 どうやらコメットさんは自分を増殖させた後 敵の後ろに回り、エネルギーが減るのを 待っていたようです。 さすがのプロトタイプも体力の消耗には勝てず、 弱点をさらけ出してしまいました。 二人「エトワール☆!!×2 いっけぇえええっ!!」 二人は力をあわせ、バトンを巨大なブラシに 変化させて、生命維持装置をぶったたきました。 プロトタイプは生命維持装置を破壊され なすすべもなく倒れこみました・・。 二人「ハァ・・ハァ・・・」 ディープ「あ、ありがとう・・ あ、その・・ この戦いが終わったら、と、友達に・・」 コメット「喜んで。私も今そう言おうと思ってたとこなの。」 ディープ「あ、りがとう・・」 プラネット「お、行う者楚は七つの混沌、 混沌は力、力は心において力なり、 楚は混沌を統べるもの、頼むマスターオーブ! エネルギーオーブを止めてくれっ!」 プラネットの願いが通じたのか、 マスターオーブは強い光を発し、 その光が収まる頃には エネルギーオーブの暴走は止まっていました。 ・・墜落は阻止出来たようです。 コメット「ハァ・・ハァ・・止まった、みたい・・」 プラネット「・・どうやらそっちも終わったよう、だな? さ、こんな所さっさと出るってばよ!」 ディープ「ありがとう・・あなたがいなければあいつは 倒せなかった・・マリアさんの願いも・・ でも私はあなた達にひどい仕打ちをしてしまった・・ 私は、私は・・」 コメット「細かい事は言いっこなし! さ、帰ろっ、あの星に・・」 「待テ、オ前ラ・・・」 ディープ「なっ!?まだ生きて・・・」 「殺ス、貴様ラモロトモ・・・」 突然プロトタイプの体から光が発生し、 いつの間にか消えてしまいました・・ コメット「あいつ、一体何を・・?」 ディープ(・・!?まさか・・) ガガーッ・・ ピーピー・・ ヘンゲリーノ「大変じゃ!プロトタイプはまだ生きておる! やつはコロニーに寄生してもろとも落下する気じゃ!」 コメット「なっ、・・」 ディープ(やはりそうきたかっ・・ あのバケモノ、そこまでして私達を滅ぼそうと・・) プラネット「オーブの暴走は止まったけど、この中には 莫大なエネルギーが溜まってる! このまま墜落したらどっちにしろ結果は同じだ! ちくしょぉ、ここまでか・・」 ディープ「(・・・・・・!)・・私に考えがあります。 私が全エネルギーを放出してアイツにぶつかれば、 ・・多分奴は消えてなくなるでしょう。」 コメット「・・!?チョット待って!そんな事したら ぶつかったディープさんはどうなるの!?」 プラネット「・・多分彼女も消えて無くなるだろう・・」 コメット「そ、そんなぁ!ねぇやめて! 死なないで、お願い、止めて・・」 ディープ「じゃあ誰がこの衝突を止める というのっ!?」 コメット「!!?」 ディープ「さっき言ったでしょ、これは私の戦い、 あなた達、そしてマリアさんの為にも なんとしても私がやり遂げなきゃいけないの!」 コメット「でも、でもっ・・」 ディープ「・・私に優しさを取り戻させてくれた上に 私を友達にしてくれてありがとう。 ・・・それじゃあ・・。」 ディープはそのまま最下層に通ずるハッチの中 へと消えて行きました・・。 コメット「・・・ うっ、うっ・・・」              * ディープ「これ以上先には行かせはしない!」 「貴様、俺ト一緒ニ死ヌ気カ!?・・オノレ・・」 マリア「ディープお願い・・ みんなの願いを叶えてあげて!」 ディープ「(マ、マリアさん・・!?) ウアアアアアアッ!! き、消えろォプロフェッサーの邪念と共にッ・・・」 「ギャラアァアアア!!」 コメット「キャアァ!な、何!?」 プラネット「う、うわあああ!」 「・・めさま、ひめさまっ!」 コメット「う、うーん・・はっ!?ラ、ラバボー!?」 ラバボー「どうやら、落下は止まったみたいだボ。」 コメット「!!ディープさんは!? プラネット「・・・」 プラネットは深刻な顔で首を 横に振りました・・。 コメット「そ、そんなぁ・・うえぇぇん・・」 ヘンゲリーノ「ハアッ!よ、ようやくたどり着いたワイ! 大丈夫かお主ら!」 メテオ「コメット!それに殿下!よかったご無事で・・」 カロン「僕のメカ・・防衛ラインを突破してたら 完全に壊れちゃったよぉ・・ どーしよ・・」 メテオ「で、なんであんたは泣いてるワケ?」 コメット「うっ、うっ・・ディープさんが・・ バケモノと一緒にぶつかって・・ うっ、う・・ 私、なんにも出来なかった・・」 ラバボー「姫様・・」 バシンッ! 突然メテオさんはコメットさんに 平手打ちを浴びせました。 メテオ「あんたねぇ!いちいち泣くヒマあったら 彼女にお礼ぐらい言ってやったらどーなのっ!? ・・そんなんじゃその子も天国で悲しむでしょう! 何も出来ないなんて嘆くぐらいなら 責めて笑って天国へ送ってやんなさいっ!」 コメット「・・・!! うん・・。」 プラネット「ほらっ、涙拭けよ。」 コメット(ありがとう、そしてさよならディープさん・・。) コメットさんは涙をぬぐって笑って見せた。 ・・これが少しでもディープの為になれば、と思いながら。           * ・・コロニーの落下が止まった事により 各国の混乱も鎮圧し始め、 落下から30分後、ようやく トライアングル星雲は平和を取り戻しました。 ラバボー「でも姫様、一つだけ疑問があるボ。 ディープさんは本当にあのじーさんが作った 復讐の道具、だったのかボ・・?」 コメット「ディープさんはディープさん。 ・・命を賭けてこの星雲を守った星使い、 ディープ・・」 ヘンゲリーノ「・・ザ・コメット。それが彼女の 本当の名前じゃ・・。」 メテオ「えっ!?それどーゆー事なのっ!?」 ヘンゲリーノ「・・彼女を作ったダークはな、 どうやら子供のころ先々代のハモニカ星国の 姫君に恋をしていたらしいんじゃ、 でも、自分はしがない科学者、 そんな恋は実らんを思ってたんじゃろう。 しかし、あきらめきれんかったダークは 彼女をストーカーする事で手に入れた 髪の毛を使ってクローンを作り出した、 ・・それが彼女というわけじゃな。」 メテオ「な、なんて奴なの・・?」 カロン「そこまでして・・」 プラネット「つーか先々代の姫君は コメットさんと同じ顔してたのか!?」 ヘンゲリーノ「それから彼は親の死んでしまった 孫娘のマリアの為の遊び相手となったのじゃ。 ・・と、まぁここまでが奴の日記に記されて おった事じゃがの。」 メテオ「で、どーすんのよアンタ。」 ヘンゲリーノ「ワシは・・自分の好奇心の為に 多くの犠牲を出してしまった。 この際、逃げてもしょうがない、 自首して、どんな裁きでも受けるワイ・・。」 メテオ「あーら、ヤケに素直じゃない。」 プラネット「・・罪を受け終わったら、ウチに来いよ。 また侍従長として雇ってやるから、さ。」 ヘンゲリーノ「おおぉ・・殿下ぁ・・」 カロン「あっ、迎えがきましたよ!」 メテオ「はぁーあ、これでようやく帰れるわね。」 コメット「さっ帰ろっ!私達の星へ! (アディオス、ディープ・ザ・コメット・・)」      エピローグ ・・その後、侍従長さんはすぐに自首して 裁判にかけられました。 最初は無期懲役ってヒゲノシタが連呼してたけど 私達の弁護で懲役3年に減らしてもらいました。 よかったね、ヘンゲリーノさん。 ・・カロン君は殿下直々に国民栄誉賞を 貰ってました。 あ、ちなみにカロン君の「トルネード号」は 星国がお金を出してくれたので すぐに直ったみたいです。 そして私は・・ コメット「・・お父様、お母様、また行ってきます」 王様「また寂しくなるのお」 王妃「ええ、でも」 王様「・・姫の決めたことじゃな」 ヒゲノシタ「姫様、おきをつけて」 ・・いつか星の輝きをその瞳に宿すタンバリン星国の王子を探しに、  ううん、まだまだいっぱいある素敵な輝きを探しに、  わたし、コメットは、また遥か彼方の星、地球に向かいました。  だんだん地球が ちかづいて  ドキドキわくわくがいっぱい ・・天国のディープさん、見てるかなぁ。 わたし、もうあなたがいなくても大丈夫だよ。 だって、お空を見上げたら星の子達と一緒に ディープさんがいるってわかってるもん。            完。 参考文献 「オバケ達の世界」       「コメット歯医者に行く」     「第43話瞳に映る輝き」      「コメットさん★日記」 え〜・・こんな長い文章を最後まで読んでいただいて まことにありがとうございます。 (サボってて)時間が無くて書ききれなかった部分も たくさんありましたが、読んで何か共感するものが あれば僕としては満足です。 あとこの話を読んで面白いと感じたら この話の元ネタである「ソニックアドベンチャー2」 というゲームもやって見てください。 色々と伝え切れなかった部分も出て来るハズです。 また毎度毎度僕の小説をHTML化して掲載してくれる 管理人のラすかる様。 この場を借りてお礼を申しあげます。 また色々とやってみようと思いますので 興味のある方は見てやってください。 それでは、また。