冬なのに秋の味覚


ケースケ「ふぅ・・もう冬かぁ〜・・ 一年って長いようで短けぇなぁ〜・・」
コメット「ケースケっ、何黄昏てるのっ?」
ケースケ「うわっ!?なんだよ後ろから話し掛けるんじゃないこのバカッ!」
コメット「あっ、またバカって言った!」
ケースケ「そ、そう怒んなよ・・ 悪かった。」
コメット「・・あ、そうそう!景太郎パパ呼んでたよ、なんかケースケ宛にお届け物が来てたって。」
ケースケ「ん、届物・・?」


          *
早速ケースケは藤吉家に戻り、届物を見ることにしました・・

ケースケ「・・・・・・!!?」
ツヨシ「あれ、どーしたのケースケ兄ちゃん、そんなに驚いて・・・?」
ケースケ「こ、これ・ ま、松茸か・・!?」
沙也香「なんですって!?松茸!?」
景太郎「ハハハ、そんなバカな・・
それお前の地元のマスコットキャラ「松茸人間」の人形だろ!?<定価千二百円の。」
ケースケ「いや、いないっスよそんなキャラ!ちゃんと本物ですから!見てくださいよ!」
景太郎「そ、そんなバカな・・いったいお前の家の何処にそんな経済力が・・?」
沙也香「ちょっとパパ!そんな事言っちゃケースケの実家に失礼でしょ!」
コメット「あの・・さっきから松茸松茸って・・そのキノコそんなにおいしいんですか?」
ツヨシ「え〜コメットさん松茸知らないの〜!?」
ネネ「とーってもいい香りがしてすっごくおいしいんだよっ☆」
コメット「へぇ〜っ、私も食べてみたいなぁ〜☆」
ケースケ「で、どーします師匠、この松茸」
景太郎「は、ハハ君タチは素人だ、僕に任せろっ!」
沙也香「あら、何かいい食べ方でもあるのパパ・・?」
景太郎「もちろん大ありさっ!この・・「松茸を食べさせたら日本一だよ景太郎さんは」
・・の異名を持つ俺にな!」
コメット「長いな異名!」
・・とそこにコメットさんのツッコミが入る。

         *
・・こーして景太郎パパの一存により松茸はなぜか次の日に料理される事となった。
そして今日はドアの前に「松たけを2〜3倍美味しく食べる会」と、
書かれた垂れ幕が取り付けられていました。

景太郎「やぁやぁ諸君!今日は当秘密クラブにようこそ、みんなちゃんとお腹をすかせてきたかね?」
ミラ「はーい★今日は昼メシ抜いて着ましたー!」
カロン「ちょ、ちょっとあんまはしゃがないでよお姉ちゃん・・」
沙也香(ねぇコメットさん・・・なんでミラさんがここにいるのかしら・・?この分だと全部食い尽くされるわよ・・?)
コメット(いや、私にもさっぱりで・・・)

そんな二人の心配をよそに景太郎パパの演説は続く。

景太郎「・・今日はみんなに最高の状態で、最高の松茸を堪能してもらいたいと思う。
では早速、ご登場願いましょう・・
ミラ「きゃ〜★まつたけ、松茸ーっ!!」
ケースケ「う、うおぉ!は、早く食いましょう師匠!!」
松茸を見たとたん小さいコのようにはしゃぐミラさん。そして松茸を見て凄く興奮するケースケ。
景太郎「お、オイオイチョット興奮しすぎだぞっ!ささ深呼吸、深呼吸!」
(でも実は景太郎パパが一番興奮しているのだが。)
景太郎「さぁー目を閉じてゆーっくり・・」
スー、ハー・・ スー、ハー・・ スー、ハー・・
すると、一人だけ平常心を保てていたコメットさんはみんなのかすかな異変に気がついた。
コメット「スー、ハー・・ ん・・ ち、ちょっ!みんななにやってんのっ!?」
それは普通の人の視点から見るとすざまじく異様な光景だった。
松茸の香りにつられ、深呼吸をしているつもりが、コメットさんを除いた全員が
松茸の周りに密集し、その匂いをかぎまくっていたのだから。
景太郎「ん〜!ん〜〜!んんん〜〜! BANZA〜〜〜I!!」
コメット「うわっ!?」
感情の高ぶりを隠し切れないのか、皆(景太郎パパを筆頭に)「BANZA〜〜I!!」
と叫ぶのであった。
近所の人「ちょっと!うるさいわよ!藤吉さん!」
コメットさんを除く全員「あ、スンマセン・・」
景太郎「な!どうだオイすげぇだろ!? こ、興奮すんなよお前らぁ!!」
カロン「こ、こっちのセリフですよ!」
ツヨネネ「パパが一番興奮してんじゃん!×2」
景太郎「あ、スマンスマン・・ だっていい匂いだったからさぁ〜・・」
沙也香「いや〜ごもっともごもっとも!」
ミラ「う〜ん、ごもっとも!」
ケースケ「素晴らしいですなぁ松茸様のご芳香は・・」
ミラ「いやぁ〜まったく・・」
カロン「ぼ、僕もう矢も盾もたまらないよぉ・・・」
沙也香「あ、そうだわ!これ小高い所に飾ってみましょ!」
景太郎「おっ、いいなぁそれ!」
ミラ「いいですねぇ!」
コメット(なんでわざわざ食べ物を飾るんだろう・・?)
と、言う訳で藤吉家の神棚に飾ってみました・・
コメットさんを除く全員(い、いい・・・)
コメット(なんでこんな事を・・)
ツヨシ「何だか崇高な感じがするね・・」
景太郎「これを我々は食べるんだなぁ・・」
ネネ「ねぇパパ拝も!」
ケースケ「そ、そうだな拝もう!」
コメット「拝むのー!?」

ありがたや・・ありがたや・・
                ありがたや〜〜・・
                           ありがたや、ありがたや〜・・・

コメット(オイオイオイオイオイオイ!何なのコレェ!?)
景太郎「よっしゃあ食べる側の準備は整った!あとは料理するのみじゃあ!」
カロン「ヒャッホーッ!遂にキター!」
ツヨネネ「ね〜、何作るのぉ〜?×2」
ミラ「あたしお吸い物がいいな!」
ケースケ「お、オレ炊き込み御飯がいいっス!」
景太郎「フッ、この量を8人で分けても十分満足感が得られて、
なおかつこの香りを十二分に引き出せるもんをつくるつもりさっ!」
沙也香「な、なんなのパパ!?」
景太郎「それは後のお楽しみ!待ってる間に色々想像してるがいい!」
コメットさんを除く全員「んも〜意地悪〜っ!」
近所の人「もう!うるさくて昼寝出来ないじゃない!」
全員「す、すみません・・」

一連の会話が終了すると、景太郎パパは一人厨房にこもり調理を開始した。
その間も7人の期待はどんどん膨らんでゆく・・
いつしか日も落ちて夜になっていた・・。 どうやら出来たらしい。

カロン(ねぇ、これ何かなぁ・・)
沙也香(土瓶蒸しかしら・・?)
ケースケ(炊き込みご飯っスよきっと!)
ツヨシ(すごいいい匂いする〜・・)
ネネ(楽しみぃ〜・・)
コメット(だいじょうぶかなぁ、これ・・?)
景太郎「よっしゃみんな揃ったな!」
全員「おつかれさまでしたぁ!」
景太郎「悪い悪い予想以上に時間かかっちまってさ〜・・
でもおかげで素晴らしい出来になったぜ!」
ツヨシ「す、すごいや!」 ミラ「は、早く食べよっ!」
景太郎「じゃ〜1,2の3でフタを開けてくれ。」
全員「い、いくぞ〜1,2の〜〜さぁぁん!」
全員「あ、え〜っと・・よく分かんないんだけど、これ何・・?」
景太郎「ん?あぁコレ? ガム・・・・」
!!!!!!??????
景太郎「よぉーっし!そんじゃいただきまぁ〜す!」
コメット「い・・」
ケースケ「いただきます・・・・・」
沙也香「・・いただきます」
もしゃり、くっちゃ、くっちゃ、くっちゃ、くっちゃ、くっちゃ・・・・・・
全員(甘い・・・・・・・・・・・・・・)
ミラ「あ!これとーっても美味しいです!」
景太郎「そうだろう!そうだろうオイ!!」
全員「・・・・・・・・・・??」
                    完。