かわぐちかいじ原作『ジパング』に登場するのが、この最新鋭イージス護衛艦『みらい』です。

　外観こそ似ているものの、実在の『こんごう型DDG』ではなく、架空の『ゆきなみ型DDH』がモデルとなっています。
船体甲板中央が構造物で完全に覆われ、後部に航空機格納庫を設置、艦載機を常時２機運用しています。
内火艇や短魚雷発射管は内蔵式となり、全体的にすっきりした外観となっているのが特徴です。

　兵装関係では、"こんごう型"のMk41VLSには『スタンダードSM-2』と『アスロック』が収まっているだけなのに比べ、"みらい"ではそれらに加えて『トマホーク』と『ハープーン』を収納、さらに『シースパロー』専用となるMk48VLSが後部甲板に追加されています。

　しかし、多目的に使用できるMk41VLSは前部甲板の２９セルのみとなっており、後部には短射程ミサイル専用のMk48VLS４８セル分が搭載されるだけ。
つまり限られた数のセルを４種類のミサイルで分け合う形になっており、"こんごう型"が前後部の合計９０セルとなっているのに比べれば、非常に少なくなっています。
イージスシステム搭載艦であるにも関わらずエリアディフェンスに使用される『スタンダード』が極端に少なく、ポイントディフェンス用の『シースパロー』の弾数の方が多いという、奇妙な構成の印象を与える結果となっていることは否めません。
DDGではなくDDHであることからも、現在のイージス艦とは運用構想が異なることが予想されます。

　"みらい"は艦上構造物を箱で覆い細かい装備類を内蔵式としているのが特徴で、これにはステルス性を向上させる為との解説がされていますが、一番の理由はやはり作画上の都合からではないでしょうか。
"こんごう型"に比べれば、"みらい"のような形状にした方が単純に描きやすいのではないかと思います。



　アニメ化の影響で一部の層に知られるようになったのが、このイージス艦。
イージスなのにスタンダードが少なすぎるんじゃないかとか、Mk48でなくMk41+ESSMの組み合わせならよかったんじゃないかとか、後部格納庫がレーダーの視界を塞ぐんじゃないかとか、そういうことは気にしてはいけません。
見た目的には、現存するイージス艦の中では一番のかっこよさだと思います。
架空のものですがデザイン的に好きです。
初めて描いたのですが、船って難しいですね。